【保存版】駆け出しサッカー指導者のための「判断力を育てる指導ガイド」Vol.1

【保存版】駆け出しサッカー指導者のための「判断力を育てる指導ガイド」Vol.1

ドリブルかパスか?プレッシャーの中で瞬時に正しい判断を下すことは、選手のレベルを大きく左右します。この記事では「ボールを失わない」ことにフォーカスし、状況に応じた“運ぶドリブル”と“パス”の使い分けを、実例と共に解説します。

Vol.1【ボールを失わない】運ぶドリブルとパス、どう使い分ける?


✓ この記事を読むことで得られるもの

  • サッカーの現場で「運ぶドリブル」と「パス」の違いをどう教えればいいかが分かる

  • ボールを失わないための“判断基準”が整理される

  • 選手に伝えるときの具体的な言葉や問いかけのヒントが得られる

  • 駆け出し指導者でもすぐに現場に持ち込める指導の土台ができる


Topic1 はじめに:なぜ“判断”が大事なのか?

「ドリブルで運べ!」「パスを出せ!」
指導現場で、こんな声が飛び交うことは珍しくありません。しかし、選手は本当に「なぜ、それをすべきなのか?」を理解しているでしょうか。
サッカーにおける技術(止める・蹴る・運ぶ)は、それ単体で評価されるものではありません。
“いつ”“なぜ”それを使うかという「判断」がセットになって初めて、プレーの質が上がるのです。

図1.技術と戦術をセットで考える

Topic2 運ぶドリブルとパスの違いとは?

まず、2つのプレーの違いを整理しておきます。
▶運ぶドリブル
主な目的
ボール保持・前進・相手を引きつける
使われる場面の例
前方にスペースがあるとき、自分がフリーなとき
▶パス
主な目的
味方との連携・前進・リスク回避
使われる場面の例
自分にプレッシャーがあるとき、味方がフリーなとき

どちらが優れている、という話ではありません。
「チームにとって有利な状況を生む」ことが目的であり、選択の根拠が必要なのです。


Topic3 ドリブルよりパスを選ぶべきタイミングとは?

ここでは、次回詳しく掘り下げていく前に、パスを選ぶべき主な5つの状況を紹介しておきます。

✅ パスを出すべき5つの代表的な状況

  1. 強いプレッシャーを受けているとき
    → ボールを失うリスクが高い。保持のために近くの味方へ。

  2. 前方のスペースが消されているとき
    → 相手のブロックが堅く、ドリブルでは進めない。

  3. 味方がフリー、または数的優位を作れているとき
    → 自分で持つよりもフリーな選手に渡した方が展開が早い。

  4. 相手を引きつけてからフリーの選手へつなぎたいとき
    → 一度ボールを持って相手を引き寄せ、次のパスで数的優位を作る。

  5. 自分が運ぶことで味方のスペースを消してしまうとき
    → 味方のプレーエリアを潰してしまうなら、預けるべき。

図2.パスを優先すべき5つの状況

Topic4 プレーモデルを支える「判断の共通点」とは?

次回の記事では、上記5つの判断に共通する考え方、
「自分が主役にならない方がチームにとって良い状況」
という視点を中心に掘り下げていきます。

  • どんなときに“預ける”判断が必要なのか?

  • その判断をどう選手に落とし込むのか?

  • 言語化して伝えるためのフレーズは?

こういった点を、現場目線でわかりやすく整理していきます。


Topic5 おわりに:判断が変わればプレーが変わる

サッカーは「技術」のスポーツであると同時に、「認知・判断・実行」のスポーツです。
選手が“自分の意思”でプレーを選択できるようにすること。これが、駆け出し指導者にとって最初に越えるべき山の1つです。
まずは「運ぶ or パス?」というシンプルな選択から、判断力を育てていきませんか?


🔁 次回予告(第2回):
「判断の共通点」を見抜け!パスを選ぶべき5つの状況とその本質


著者紹介

坂本啓太(各種SNSはこちらをクリックしてください)

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