【保存版】駆け出しサッカー指導者のためのトレーニング理論大全 Vol.1

【保存版】駆け出しサッカー指導者のためのトレーニング理論大全 Vol.1

「この練習って、試合にどうつながるんだろう…?」と迷う駆け出しサッカー指導者へ。JFAとスペインの指導理論に共通する“TR理論”をベースに、指導の本質を紐解きます。

Vol.1TR(トレーニング)って何?〜“練習”との違いとは〜


✓こんな人におすすめ!

  • 「トレーニング」と「練習」の違いがよくわからない

  • 指導ライセンス講習で聞いた「TR理論」がしっくりきていない

  • サッカーの練習を“ただの繰り返し”にしてしまっている気がする

  • スペインやヨーロッパの指導スタイルに興味がある


✓このシリーズを読むことで得られるもの

  • トレーニングの本質がわかる

  • メニューの“設計力”が身につく

  • 選手の「自発性」を引き出す指導に近づける

  • サッカーの原理原則とリンクした指導ができる

  • 指導の“引き出し”が増える


✓読み終えた頃には…

  • 指導に「明確な意図と設計」が宿るようになる

  • トレーニングメニューに意味と流れが生まれる

  • 選手の変化・成長に気づきやすくなり、指導が“楽しく”なる


「毎日一生懸命練習しているのに、なぜかうまくならない選手がいる」
「同じメニューをやっているのに、効果が出る選手とそうでない選手がいる」
そんな経験はありませんか?
もしかすると、その原因は「練習」と「トレーニング」の違いを理解せずに、“ただ繰り返す”ことが目的になっているからかもしれません。
この章では、JFAの指導者ライセンスやスペインのコーチ養成機関で学ぶ「TR理論」の基礎として、そもそも「トレーニングとは何か?」という問いから出発します。


Topic1「TR(トレーニング)」とは?

サッカーの指導現場でよく使われる「TR(トレーニング)」という言葉。
一見、「練習」と同じように聞こえるかもしれませんが、実は明確な違いがあります。
日本サッカー協会(JFA)やスペインの指導者養成機関では、TRを以下のように捉えています:
「目的を持った計画的な学習プロセス」
つまり、TRとはただ身体を動かすだけの「繰り返し」ではなく、選手が自ら気づき、理解し、変化・成長していく過程そのものを意味します。

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図1.トレーニングサイクル

Topic2「練習」との違いとは?

▶ 練習(Practice):

  • 技術の反復・習熟が中心

  • コーチ主導の指示型

  • 一方向的

  • 成果が「できる・できない」で評価されがち

▶ トレーニング(Training):

  • 課題の発見・解決が目的

  • 選手の“自発的学習”が中心

  • 相互的・多角的

  • プロセスと気づきの連続で評価される

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図2.練習とトレーニングの違い

Topic3 TR理論の基本的な考え方(JFA × スペイン)

▶ JFAの考え方:

  • 「トレーニング」は“ゲームからの逆算”

  • TRの目的は、試合の中でプレーを向上させること

  • 年代・レベルに応じて、徐々に複雑な状況設定にしていく

▶ スペインの考え方:

  • 「選手は自ら学ぶ存在」

  • コーチは“学びの場”を設計するファシリテーター

  • TRは、判断(decisión)を鍛える場

どちらも共通しているのは、
「トレーニングとは、“試合に生きる判断と実行”を鍛える行為である」
という点です。


Topic4 指導者にとっての気づき

TRの本質は「選手に変化をもたらすこと」。そのためには、以下のような視点が欠かせません。

  • トレーニングの目的を明確に持つ

  • 選手の自発的な気づきを引き出す

  • 単なる“ドリル”で終わらせず、“ゲーム”とのつながりを意識する


Topic5 この章のまとめ

  • 「練習」と「トレーニング」の違いが明確になる

  • サッカー指導におけるTRの目的と意味を理解できる

  • 日本とスペインのTR理論に共通する本質を知ることで、自分の指導を見直すヒントが得られる


✓次回予告

【第2章】「アナリティックって何?」〜技術を分解して理解する〜
👉 技術習得の“第一歩”となるアナリティックTRの正体に迫ります!

著者紹介

坂本啓太(各種SNSはこちらをクリックしてください)