短期のサッカー留学は選手としての成長に役立つのか?
日本サッカーのレベルは年々向上していて、10代の子ども達の海外留学も珍しくない時代となっています。 「サッカー選手になりたい」 所属するクラブで同年代の子よりも良いプレーを我が子がしていたならば、親として「サッカー留学」といった選択肢を用意してあげたくなるのではないでしょうか?
しかし、サッカー経験がなかったり、サッカー経験者ではあっても海外留学の経験がなかったりすると、「海外へのサッカー留学をすることでどれほど選手としての成長に繋がるのだろう?」と疑問に思う方も多いでしょう。
そこでこの記事では、「短期のサッカー留学は選手としての成長に役立つのか?」という疑問について解説していきたいと思います。
「結論」サッカー留学は選手としてのレベルを飛躍的に向上させるきっかけとなる
これからサッカー留学をすることで得られる選手としてのメリットをいくつか挙げていきますが、その前に結論だけ先に申し上げておきましょう。
結論としては、高確率でサッカー選手としてのレベルを飛躍的に向上させるきっかけとなります。 サッカー留学には数週間程度の短期留学や数ヶ月の中期留学などいくつか種類がありますが、例えば数週間の短期留学であったとしても、その後の成長速度を飛躍的に向上させるきっかけとなりえます。 特に神経系の発達が最も盛んになるゴールデンエイジ(9歳ころ~12歳ころまで)やポストゴールデンエイジ(13歳~15歳ころまで)にサッカー留学を行うことで、日本国内で練習や試合をこなす同年代の選手よりも成長速度が速まる傾向にあります。
なぜ海外留学をすると選手としての成長スピードが速まるのか?
それでは、ここからはいったいなぜ海外留学をすることで成長スピードが速まるのか、その要因をいくつか挙げていきましょう。
①考える力が身につく
サッカーは試合の流れが次々に変化していくスポーツです。 野球のように「次のボールはストレートかカーブか」といったように数秒間考えるような時間はなく、0.5秒~1秒といった短い時間で複数のプレー選択肢から選んで身体を動かしていかなければなりません。
その瞬時の選択がプロならば90分間(小学生の場合は40分間、中学生の場合は60分間)続いていくわけですから、かなり脳を使うスポーツであるともいえます。 日本の若年層の子どもを指導するクラブでも日本サッカー協会のライセンスを持った指導者がかなり増えてきており、しっかりとしたメソッドを基に子ども達の成長を促していますが、欧州などと比べると「型にはめる」といった傾向が強いように思えます。 これに対して欧州では、もちろん各クラブのメソッドがありながらも、「子ども達ちに考えさせる」といったことを重要視させる傾向にあります。
レアル・ソシエダが日本でアカデミーを開講するにあたって日本代表MFの久保建英選手があるコメントを残しています。 その内容は、「日本は規律を守らせる」「スペインはより流動的で自分で考える」といった違いがあると。
欧州のサッカークラブの多くが子ども達に考えさせるスタンスであるため、数週間から数ヶ月のサッカー留学を経験することで、それまでの規律を守るサッカーから自身で考えるサッカーができるようになります。 ちなみに前述した久保建英選手は、小学生年代で当時世界1のクラブと称されていたFCバルセロナの下部組織(ラ・マシア)に所属していて、バルセロナ独自のメソッドが身体に染み付いています。 監督やコーチに言われたことを遂行しようとするだけでなく、「こう動いた方がいいのでは?」などと当時から積極的に質問をしていたそうです。 欧州でも屈指のMFになりつつある現在のプレーは、考えながらプレーしていた当時の経験が現在に活きている証拠であるともいえるでしょう。
②単純にレベルの高い環境下に身を置ける
日本のサッカーも年々レベルが上がっており、確実に欧州各国との差は縮まっています。 しかし、それでも育成年代ではまだまだ実力差があるのは確かでしょう。 スペインやドイツ、フランス、オランダなどのレベルは非常に高く、サッカー留学することで上手い選手や身体の強い選手たちのいる環境下でのプレーがが可能となります。
「日本人の小学生の方がテクニックがある」といった意見もあります。 確かに、リフティングやパス、トラップといった基本テクニックは欧州の同年代の子どもよりも日本人の小学生の方が上手いケースもあります。 しかし、それはあくまでも練習などプレッシャーがあまりかからない時の話で、欧州のサッカークラブでは試合中のプレッシャーは日本の比ではなく、常に激しいプレーが求められます。 農耕民族だった日本よりも、狩猟民族だった欧州の人たちの方が戦う気持ちが強く、それゆえに練習中から試合のように激しくプレスをかけてきます。 そうした環境下で数週間~数ヶ月プレー出来れば、間違いなく選手としてのレベルは高まることでしょう。
③日本人にはない身体能力を体験できる
日本のプロサッカーリーグであるJリーグでも、外国人選手が数多く在籍していますし、欧州の各クラブには当然ながら日本人以外の国籍の選手が多数在籍しています。 育成年代においても、その国の子ども達だけでなく、南米やアジア、アフリカなどから留学してくるケースも多いです。 そうした人たちは、総じて日本人よりも身体能力に優れています。 例えば高校生年代(もしくは大学生年代)まで留学をせず日本国内でプレーしていたとしたならば、チームメイトも対戦相手もほとんどが日本人となるため、その身体能力の違いを体験することができません。
小学生や中学生年代で欧州へサッカー留学を行えば、実際に身体能力の違いを体験できるため、プロになった後にも役立つはずです。 サッカーをあまり経験したことがない親御さんは、「そんなに違うの?」と疑問に思うかもしれません。 実際にプレーするとわかりますが、例えばアフリカ系や南米系の人たちは全身の「バネ」や「スピード」が日本人よりもあるため、いつもだったら奪われない距離にボールを置いたとしても足が伸びてきてボールを取られてしまうこともあります。 また、欧州やアフリカ、南米を含む日本以外の国では、「身体の強さ」があります。 日本にいたころには簡単にボールをキープできていた子どもも、留学先では吹き飛ばされてボールを奪われてしまうケースが多くなります。 スピードや柔軟性、パワーといった身体能力の違いをサッカー留学で経験できれば、間違いなく日本に帰国した後のプレーも欧州基準となっているはずです。
子どもに高い向上心があるかを確認してから計画しましょう
ここまで挙げてきた通り、小学生年代のサッカー留学では様々なメリットを得ることが可能となります。 しかし、実際に我が子にサッカー留学をさせる前に、1つだけ確認しておいていただきたいポイントがあります。 それは、「サッカーに対する本気度(情熱の高さ)」です。 日々の練習や試合などへの本気度やプロへの憧れ度などをチェックし、高い向上心があると判断できればサッカー留学は「あり」だといえますが、もしも「絶対にプロになりたい」といった高い向上心がまだ芽生えていないのであれば、焦って留学させない方が良いといえます。 絶対的な情熱がなければ、レベルの違いに心が折れてしまう可能性もありますし、ホームシックになり途中で帰国するといった可能性も考えられます。 最終的には子どもと真剣に話し合い、そうした壁を乗り越えていく覚悟があるかどうかを確認しましょう。
まとめ
今回は、「短期のサッカー留学は選手としての成長に役立つのか?」という疑問について解説してきました。 数週間のサッカー留学はあまり成長に大きな影響を及ぼさないのではと感じる親御さんもいますが、ここで挙げたようにサッカー留学は選手として様々なメリットを得ることができるため、間違いなく役立つといえるでしょう。 「話を聞いてみたい」といった願望をお持ちの方は、公式LINEからでもご相談いただけますので、ぜひお気軽にお問合せ下さい。