リスク管理!という抽象的な提示について

リスク管理!という抽象的な提示について

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試合中ベンチからこのような声が飛び交う

 

「GK!リスク管理させろ!!」

「リスク管理できてないぞ!」

 

これは味方が攻めているとき、セットプレーのときに言われるフレーズだと思います。

 

皆さんに問いたいのですが、

 

リスク管理”

 

とは、いつ、誰に、何を、どこで、どんな方法ですることなのでしょうか。

 

 

恐らく世間一般的に言われているリスク管理は

 

【マークの確認】

【+1のカバーリング】

【アラートに構えておく】

 

このくらいではないだろうか。ただ、少し乱暴ではないかと私は思う。

 

具体的に“いつ”備えるのだろうか。

 

セットプレーならばプレーが途切れるまでアラートにすることはそう難しくない。

 

しかし

私はどんなチームも、攻めているときのリアクションでDFラインとGKの間にボールが蹴られて

「GK!!出ろ!」

「キーパー!あ、いや、クリア!!」

 

と言った準備不足、判断エラーをよく見かける。

 

攻めているときにずっと毎回アラートに構えておくのか。

DFは毎回来ない可能性が高い守備にずっと警戒し続けるのは神経が持たないだろう。

 

攻めているときに備えるのは間違いではないが、更に細かく

 

具体的な いつ にフォーカスするべきではないだろうか。また方法論としてももう少しやるべきことがないだろうかと私は考えていた。

 

 

では、まず いつ 準備させるのか。

結論から言わせてもらうと2つに大きく分けられる。

 

 

①ボールが前進する瞬間

②ボールホルダーに制限が掛けられて選択肢が限定し,局地的数的同数ないしは数的劣位の状況になっているとき。通称ハマったとき。

 

である。

 

①で言うと前進とは縦パスや突破のドリブルを味方が試みた状況だ。

パスは後ろに下げることはリスクは回避されている状況且つ、GKが関わる可能性が生まれる。

横パスもプライオリティを意識した中での横パスであれば失う可能性は少ない。縦に前進するということは相手(相手ゴール)に向かうということ。つまり単純に行為としても失うリスクが増大する。そして相手はインターセプトやプレスバックなどボールを奪うというアクションを行うはずだ。

 

②は相手のグループ戦術が優位に立ち、味方の選択が限定されて相手が的を絞れた状況である。これは相手からするとボールを奪うという力が大きく働いている状況であるのでやはり失うリスクが高まっている。

 

つまり、これらの①②の状況下においてGKを中心に【リスク管理】という行為を行わなければならないということがわかっていただけただろうか。

 

 

 

では、誰にこれを伝えるのか。

正解はDFである。具体的に言うと非ボールサイドのCBSBである。

例えば、左サイドで攻めていた場合、右のCBが攻撃に直接関わることは可能性として0に等しい。右のSBが攻撃的に関わることがあるのでは?と思うかもしれないが、右のSBが攻撃参加するタイミングは“左のサイドの選手がチェンジサイドを試みる瞬間から”である。つまりボランチを経由した瞬間から右のSBがオーバーラップを試みるのが原則として良いタイミングだと言える。となるとやはり常に非ボールサイドのCBSBを中心に【リスク管理】を設定すべきということがわかるはずだ。

 

では、具体的にどのように行うのか。ここがポイントではないだろうか。

 

いざ、ボールを失った瞬間に「来るぞ!!下がれ!!」と言ってもDFラインが急に反応できるかと言われれば準備時間が不足している。

 

ここで私は共通言語として

 

【事前共有】というワード選手に伝えている。

 

 

事前共有とは、その名の通り、事前に共有することである。

ここで具体例を挙げると

 

「今失ったら、俺がチャレンジする」(チャレンジの役割分担)

「お前、そのまま潰しに言って良いからな、俺カバーだから」(カバーリングの役割分担)

「失ったらここまでスペース埋めてくれる?」(縦or横スライド 役割分担)

「これ失いそうだぞ、これ来るかもしれない」(守備予測・味方の①や②の状況)

「これ背後来るよ!あるよ!」(守備予測・キッカーの目線、受け手のアクション)

 

などを伝えることである。

 

これだけ準備の時間や確認を行っていると、守備の連携はかなりスムーズであり、エラーがかなり起きにくい。

 

これを常にGKが味方DFにできているか監視し必要に応じて注文できるかどうかが

 

本来の

【リスク管理】ではないだろうか。是非、リスク管理というワード。改めて考える機会にしてもらえたらと私は思う。