一緒にブラジルへ行った柳生コーチが見た、12日間の「育成」と「世界を知る」という経験
2026年7月25日から8月5日までの12日間、ブラジルでのサッカー指導者研修、そして子どもたちとの海外遠征に参加しました。
日本からドバイを経由してサンパウロへ。
その後、リオデジャネイロへ移動し、ブラジルのサッカー文化、育成現場、プロクラブ、スタジアムなど、さまざまな場所を訪れました。
今回、私が一緒にブラジルへ行ったのが、Piece代表の小松原さんです。
小松原さんとの出会いは、サッカーの指導者ライセンスを取得する際の「一種・大人合宿」。同期として一緒に学んだことがきっかけでした。
これまでも交流はありましたが、今回、12日間にわたって子どもたちと生活を共にしたことで、これまでとは違った小松原さんの姿を見ることができました。
今回は、ブラジルで実際に一緒に過ごしたからこそ感じた、小松原さんの指導者としての姿勢について書いてみたいと思います。
子どもたちとの距離が近い指導者
まず印象的だったのは、子どもたちとの距離の近さです。
小松原さんは、子どもたちに対して非常にフランクに接します。一緒に楽しむこともできますし、冗談を言い合ったり、時には一緒になってふざけたりする。そのため、子どもたちからすると、とても話しかけやすく、接しやすい指導者なのだと思います。
ただし、何でも許しているわけではありません。
「それはダメ」
という場面では、きちんと伝える。
例えば、日常生活の中で靴を踏んでいたり、言葉の使い方が適切でなかったりすると、細かい部分まで見て声をかけていました。
サッカーだけを見ているのではなく、
子どもたちの日常生活そのものを見ている。
今回、一緒に過ごす中で、そこがとても印象に残りました。
サッカーだけではなく、「プロになるための生活」まで見る
もちろん、サッカーについても小松原さん自身の経験を生かした指導があります。これまでプロとしてサッカーに関わってきた経験をもとに、プロを目指している選手に対して、具体的なアドバイスをすることができます。
ただ、今回特に印象に残ったのは、サッカーの技術や戦術だけではありません。
プロのサッカー選手を目指すのであれば、
普段の生活も含めて、自分自身を律していかなければならない。
そうした考えが、日々の子どもたちへの声かけにも表れているように感じました。
移動中。食事。宿泊先での過ごし方。そして、ピッチに立っていない時間。
さまざまな場面で子どもたちを見て、その時々で必要なことを伝えていました。
「サッカー選手になるために何が必要なのか」という視点を、サッカーだけに限定していない。そこが、小松原さんの指導の特徴なのではないかと感じました。
ブラジルで感じた「本場のサッカー」
今回のブラジル研修では、指導者としても多くのことを学びました。
ブラジルに着いてまず感じたのは、サッカーが「特別なスポーツ」ではなく、生活の一部になっていること。
朝のビーチではビーチサッカーが行われ、街の公園や路上でも子どもたちがボールを追いかけています。どこに行ってもサッカーがある。その環境そのものが、ブラジルのサッカー文化をつくっているように感じました。
そして、コリンチャンスの試合観戦。スタジアムに入った瞬間から感じるサポーターの熱量は、言葉では表現しきれないほどでした。
クラブの象徴である黒と白を身につけ、クラブへの誇りを持ってスタジアムに集まる人たち。地鳴りのような応援。その中でプレーする選手たち。
「これが本場のフットボール文化なのか」
そう感じるほどの迫力でした。
名門クラブの育成現場を見て感じたこと
今回の研修では、ブラジルの名門クラブの育成現場を視察する機会もありました。
各年代に多くの選手が所属し、監督やアシスタントコーチだけではなく、分析、フィジカルなど、それぞれの専門分野を担当するスタッフが配置されています。
そこで強く感じたのは、
「育成は未来への投資である」
という考え方です。
選手を育てるためには、指導者だけではありません。施設。環境。分析。フィジカル。さまざまな専門スタッフ。そして長期的な視点。多くの要素が組み合わさって、選手の成長を支えています。
ブラジルと日本、それぞれの強み
現地のトレーニングを見て、特に強く感じたのは、個人技術と1対1の強さです。
相手を剥がす技術。局面を打開するドリブル。ボディコンタクトの中でもボールを失わない強さ。ブラジルの選手たちが持つ「個の力」には、大きな刺激を受けました。
一方で、日本の育成年代にも大きな強みがあります。スペースを認知すること。組織としてプレーすること。状況を判断すること。
だからこそ、ブラジルの個の技術と、日本が大切にしてきた組織的・戦術的な部分。その両方を学び、融合していくことが、これからの育成にとって大切なのではないかと感じました。
ブラジル留学を通して感じた「世界を広げる」ということ
そして今回、小松原さんと子どもたちと一緒にブラジルへ行って、もう一つ強く感じたことがあります。
それは、子どもたちに、できるだけ多くの経験をさせたい。という小松原さんの思いです。
日本の中だけでサッカーをするのではなく、実際に海外へ行く。日本とは違う環境で生活する。異なる文化に触れる。現地の選手たちとサッカーをする。言葉が通じない経験をする。
その一つひとつが、子どもたちの世界を広げていきます。
そして、そこで何を感じるかは子どもによって違います。
「ブラジルの選手はすごい」と感じる子もいる。
「もっとサッカーが上手くなりたい」と思う子もいる。
「海外で生活してみたい」と思う子もいる。
「もっと英語や外国語を勉強したい」と思う子もいる。
サッカーとは別のところに、新しい夢や興味が生まれる可能性もあります。それこそが、海外へ行く価値なのだと思います。
サッカー選手になることだけがゴールではない
今回のブラジル留学を通して、改めて感じたことがあります。
それは、子どもたちにとって、サッカーは大きな可能性の一つであって、それだけがすべてではない。ということです。
もちろん、プロサッカー選手を目指している子どもたちには、その夢に近づくための環境をつくることが大切です。しかし、仮に全員がプロサッカー選手になれなかったとしても、今回の経験が無駄になるわけではありません。
海外で生活した経験。異なる文化に触れた経験。言葉が通じない環境に身を置いた経験。日本とは違うサッカーを見た経験。そして、仲間と一緒に海外で生活した経験。
その一つひとつが、子どもたちの将来につながっていくのだと思います。
小松原さんが子どもたちに与えようとしているのは、単に、「サッカーが上手くなるための環境」だけではない。子どもたち自身の可能性を広げるための経験。今回、一緒にブラジルで過ごして、私はそう感じました。
一緒にブラジルへ行って見えた、小松原さん
今回、ブラジルで子どもたちと一緒に生活したことで、これまでライセンス講習などで接していた小松原さんとは、また違った一面を見ることができました。
子どもたちと一緒に楽しむ。時には一緒になってふざける。しかし、必要な場面ではしっかりと伝える。サッカーについては、自分自身の経験を伝える。そして、サッカーだけではなく、日常生活や将来のことまで考えて子どもたちに声をかける。
そうした姿を間近で見ることで、小松原さんが子どもたちと向き合う姿勢を、少し理解できたように思います。
今回のブラジル留学は、子どもたちにとって大きな経験になったと思います。そして私自身にとっても、小松原さんという一人の指導者の考え方や、子どもたちとの関わり方を間近で見ることができた、貴重な時間でした。
世界を知ることで、子どもたちの可能性は広がる
子どもたちの可能性は、今いる場所だけでは決まりません。
さまざまな人と出会い、さまざまな場所へ行き、さまざまな経験をする。その経験の一つひとつが、子どもたちの世界を少しずつ広げていきます。
今回のブラジル留学で見た、サッカー王国の熱量。育成の現場。文化。人。そして、子どもたちと向き合う小松原さんの姿。すべてが、これからの育成について考えるきっかけになりました。
世界を知る。
世界とつながる。
そして、子どもたちの可能性を広げる。
Pieceが海外へ子どもたちを連れていく理由も、そこにあるのだと思います。
Obrigado, Brasil. 🇧🇷
そして、今回一緒に過ごした子どもたちのこれからの成長を、楽しみにしています。
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